本当にゲーミングに最適なキーボードとは何かをぼんやりと考えてみた。
僕はいわゆる「プロゲーマー」ではないので、あくまで”ライト層”向けでの話である。
ゲーミング用とは何か
昨今、様々なゲーミングキーボードが世に出ているが、どのような条件を満たしていれば「ゲーミング用」と謳えるのだろう。
そもそもキーボードに求められる機能や性能というのはゲームによって千差万別である。
では、FPSというジャンルで考えるとどうだろうか。
一般的にプライマリとしてキーボード上での入力で特に過酷に使用される部分は移動操作の大部分を占める「WASD」キーで間違いないでしょう。
セカンダリキーで言えば、Rが”リロード”だったり、Gが”グレネードの投擲”だったりと、大体使用されるキーというのは固定されている。あとは1~6辺りの数字キーも武器切り替えとかで定番でしょうか。
これはPCゲーム大半に言える事ですが、マウスで視線移動し、キーボードで移動や補助のコントロールをするというのは殆どのゲーム(具体的にはFPSやTPS)に当て嵌まる事であり、その特性上キーボードでの操作は左手の可動域に集約されている事が前提であると考える。
要は左手での操作に特化しているのかどうかが重要な要素である。
実際、左手専用に特化したコントローラーは多数販売されているし、その方がデスク上ではコンパクトに収まる為、ゲーマーにとっては合理的である。

引用© MUSTARDSEED㈱
ハードウェアの形状だけで考えるので有れば、左手専用コントローラーは「ゲーミング用」と謳っても異論ないだろう。
ただ、専用コントローラーである以上はキーボードとは言えない為、除外して考える。
では、入力機器であるキーボード単体で勝負した場合に、求められる機能や性能とは何か?
スイッチの耐久性と信頼性
個人的に最も重要だと考えている要素はスイッチの耐久性だ。ゲーマー関係なく、入力機器として耐久性の乏しい物の使用は避けたいのが人の常である。
特にゲーミングデバイスに関して言えば、耐久性=信頼性に直結するので、ゲーミングと謳うのであれば”最低限の壊れにくさ”は欲しい。
この点で見てスイッチの種類に優劣を付けるならば、
- 静電容量式
- メカニカル式
- メンブレン式
こんな感じでしょうか。
チャタリングのリスクを考慮するとこの順位が妥当であると考える。
が、一概にメカニカル式と言っても静電容量式と同等の耐久性があるスイッチも存在する。
公称スイッチ寿命
- Cherry MX リニアスイッチ(メカニカル)…5000万回
- Romer-G(メカニカル)…7000万回
- Realforce(静電容量式)…5000万回
事実、RazerやLogicoolなどブランド品は上記のスイッチを採用しており、価格帯も静電容量式に迫る物も多いが、訳の分からない安物のノーブランドメカニカルキーボードに市場を喰われないのは、品質面で信頼されているからである。
それでも、ゲーム中の「チャタリング」や、「反応しない」といったトラブルのリスクを最小限に減らしたいのであれば、”最低限の壊れにくさ”が保証された物を選びたい。
僕がRealforceを好んで使用するのは、耐久性だけで考えたら世界一と言っていいほど信頼性がある他ならない。
スイッチの耐久性がゲーミング用途での最重要課題であるならば、Realforceは自信をもって最適な選択と言える。
上記で述べた3種のスイッチとはどれとも当てはまらないが、目新しいスイッチ構造で最近興味があるのは、2018年にRazerより発売された「Huntsman」。

引用© Razer
押下検出に光センサーを利用しており、メカニカルの持病であるチャタリングを物理的に回避している。
構造上接触する箇所が少ないため、耐久性は期待できそう。
キーキャップの素材
Realforce等の高級機は、キーキャップにPBT(ポリブチレンテレフタレート)という耐久性、耐油性、耐摩耗性に富む素材を使用している点も強みである。
昔、ABS素材のキーボードを使用していた時期がありましたが、やはり使用頻度の高いキーは2年ほどで摩耗してしまい、元々はサラサラの梨地加工されていた表面も艶々のベタベタになってしまった。
勿論その状態ではゲームに集中できない為、泣く泣く処分したのは言うまでもない。
そういった経緯があるからこそだが、何年使用しても殆ど劣化しないPBTという素材は素晴らしいと感じるし、重宝するのである。
FPSというゲームの特性上、指はプライマルキーに常に触れている状態になる為、感触の良さと摩擦力は当然求められる。
この辺りで言えば、Realforceのキートップは大変いい梨地具合に仕上げられており、まるで指に吸い付くような触り心地をしている。要は非常に操作しやすいのだ。
ただ、この点だけに関して言えば、今のご時世ならサードパーティー製の換装用キーキャップは山ほどあるので、個々で好みの物を使用すればいいだけの話ではありますがね。
特にメカニカルキーボードの大半は互換性の高いCherry MX軸を採用しているので、対応しているゲーミング用キーキャップのバリエーションも幅広く、自由度が高いのは強みの一つと言えるでしょう。
キングストン製のメタルキーキャップ
重そう…
ゲーミングカスタムキートップセット”BFRKC”
こちらは表面にラバーコーティングされており、キートップはチェッカリング仕様と徹底的に滑り止め対策がされている。
実物を一度触ったことがあるが、まさに感触はゴムそのもので、汗をかいても滑り止め効果は期待できそう。チェッカリングもキー判別の目安となるので、利便性は高い。
耐久性は期待できないかもしれないが、劣化したら新しいものに交換するというスタイルと考えれば納得も行く。
長くなりそうなので、この辺りで締めます。
次回は、APCやキーバインドの是非とか、あると便利な機能を考察する予定。